前肢の骨、橈骨・尺骨の骨折
トイプードルやチワワ、イタリアングレーハウンドなど、トイ種と呼ばれる骨の細い小型犬に多い病気です。
〜こんな時要注意!〜
・高い所から落ちてしまった。
・ソファやベッドから飛び降りてから前肢を着かない。○原因
事故などで外部から強い力がかかって骨折することもありますが、トイ種の骨折の多くは、ちょっとしたことで骨折するため注意が必要です。
○治療
骨のズレが少ない場合はギプスによる治療を行うこともありますが、ほとんどのケースで手術が必要です。ピンを使用し、皮膚の外側から骨を固定する創外固定法、スクリューやプレートなどを使用し、皮膚の内側から骨を固定する内固定法があります。動物の状況に合わせて治療法を決定します。
○予防
栄養バランスの取れた食事、運動により骨及び筋力の強化することはもちろんのこと、ソファやベッドから飛び降りたりしないような環境を整えることも重要です。
〈症例〉
トイ・プードル 9ヶ月齢 雌
○稟告
昨夜ベッドから転落し、その後右前肢を跛行している。
○診断
レントゲン検査にて右橈骨・尺骨骨折を確認しました。
○治療
プレート固定法(内固定法)を実施して整復を行いました。
○経過
手術して三日後には患肢を使用するようになり、術後も定期的にレントゲン検査確認を行い、プレートの破綻や固定部のズレ、骨の菲薄が無いことを確認しました。
術後二ヶ月後、一部のスクリュー抜去を行いました。
その後の歩行状態も問題なく、レントゲン検査での検診でも経過は良好です。